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評価:
内田 樹
文藝春秋
¥ 1,470
(2008-01-30)
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内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』を読了。
内田樹氏がブログに書いている文章を纏めて本にしたもの。
ずっと色々と内樹本を読んできましたが、
纏め方によって、本の顔つきが全く変わってきます。
色んな視点があり、多様な価値観、多様な事物の見方があって、同じ内容でも色んな角度から考察している。
ブログでも同じ内容を様々な角度から捉えている為、
本を纏める時に、編集者がどのネタをチョイスするかによって、印象が全く変わってくる。
それだけ、幅広く、洞察が深いと観じられます。
今回の著書は、特に「教育」と「マスコミ」に関して取り上げている所を纏めてあります。
色んな見方、物事の捉え方を知る事が出来る。
なぜ日本の教育やマスコミがダメになったのか。
どんな構造で、どの様に問題点があるか、よく分かります。
そして、構造主義者らしい内田樹節がほどよく分かる。
レヴィナス的な「贈与のルール」が全ての根幹にあるという考え方がベースになってます。
同じテーマを幾つか纏めて読む事で、その問題点を深く掘り下げてゆく。
構造主義的な考え方あとても良く理解できました。
個人的には「平方根の法則」が成る程と感じた。
「例外的な振る舞い」をするものは、統計学的に決まっているのだそうです。
それは生物でもそうだという。
「揺れ動く粒子」があるのは「生き延びる上で必須」なのだそうです。
昔は、どの村にも「びっくり遺伝子」を持った人がいたそうな。
それと同じでしょうか。
全部が同じ動きしない生物は滅び去る。
誰もが同じ考え方で、権威の言いなりになったら、滅びる。
例外的な振る舞いをする存在があるからこそ、様々な亜種、変種があるからこそ、その種は、様々な要因からも逃れ、生き延びてきた。
皆が同じ方向を向いて、同じ考え方になると、その文明=生物は滅んでしまう。
そのことは、組織や集団でも言われますな。
皆が同じ考え方の人ばかりが集まったら、その集団は滅んでしまう。
様々な考え方の人がいるほど、刺激的であり、あらゆる困難にも対処できる。
固有さこそ重要だと。
内田樹さんの著書を読むと、自分が如何に何も知らないかを、改めて思い知らされます。
そして、ますます「もっと知りたい」という欲望が湧いてくる。
自分の無知さを自覚した者しか、出来ない欲望。
知ったかぶりすることなく、貪欲に知を求める。
内田樹本は、知の欲望を刺激し、さらに押し広げてくれる。
今回の本もお薦めです。